解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
香り
サイズ (cm)
サブカテゴリ
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メーカー
ネイチャーラボブランド名
MARO(マーロ)容量
460ml参考価格
1650円1mlあたり
3.6円JANコード
4582469491705ASIN
B01M1NA50P発売日
2016-11-01KaisekiID
10967全成分
解析チームです。今回お取り上げするのは、ネイチャーラボが展開するメンズケアブランド「MARO」の定番品、3Dボリュームアップシャンプー EXです。MAROといえば、2010年代初頭にメンズコスメ市場に参入して以来、比較的リーズナブルな価格設定ながら機能性にこだわったヘアケア製品で確固たる地位を築いたブランドですね。特にこの3Dボリュームアップシャンプーは、文字通りボリューム感の演出に特化した処方で注目を集めています。興味深いのは、49個という豊富な成分数で様々な植物エキスを配合している点ですが、その一方で洗浄ベースにはオレフィン(C14-16)スルホン酸Naという、いわゆる"食器洗剤級"の強力な洗浄剤を採用しているという、なんとも振り幅の大きい処方です。メントールによる清涼感も特徴的で、いかにもメンズシャンプーらしい爽快な使用感を演出していますが、果たしてその実力はどうなのでしょうか?
解析ドットコムでの総合順位は2004位(3036個中)と、正直なところ中位以下に位置しています。総合得点は5点満点中2.17点という結果で、市場平均を下回る評価となっています。特に注目すべきは洗浄力の項目で5点満点中4.3点と極めて高いスコアを記録しており、これはオレフィン(C14-16)スルホン酸Naというメイン洗浄剤の影響によるものです。一方で、髪補修力は1.9点、育毛効果は1.4点と低めの数値となっており、洗浄に特化した処方であることが如実に表れています。
[1][2][3]配合成分のレベルは2.0点と辛口評価となっていますが、これは主にメイン洗浄剤のチョイスが影響しているものと考えられます。興味深いのは全体的な安全性が3.5点と比較的高い数値を記録している点で、植物エキスの多用により刺激性の緩和が図られていることが窺えます。使用感については3.4点となっており、メントールによる清涼感とさっぱりとした洗い上がりが評価されているものと推測されます。
[4]このシャンプーの主力洗浄剤となるのが、オレフィン(C14-16)スルホン酸Naです。この成分の洗浄力はラウレス硫酸ナトリウムと同等以上とされており、実際に研究では強力な脱脂力と起泡力を示すことが確認されています。1970年代の研究では、炭素鎖長15~18のα-オレフィンスルホン酸塩が「すぐれた界面活性能、洗浄力、および起泡力を示す」ことが実証されています。しかし、その分皮膚への刺激性も高く、コンディショニング作用はほとんど期待できません。頭皮の皮脂を徹底的に除去したい場合には効果的ですが、乾燥肌や敏感肌の方には注意が必要な成分といえるでしょう。
[2][1]強力なメイン洗浄剤の刺激を緩和する役割を担っているのが、このココイルメチルタウリンNaです。アミノ酸系洗浄剤の中でもバランスの良さはトップクラスと評価されており、適度な洗浄性、泡立ちの安定性、低刺激性、コンディショニング効果を併せ持ちます。特に注目すべきは、他のアミノ酸系洗浄剤と比較した際の優秀さで、「ラウロイルグルタミン酸Naと比較して、ほぼ全ての試験で優れている結果が得られた」という研究報告があります。洗顔後の乾燥防止効果や、髪のキューティクル保護効果も実証されており、オレフィンスルホン酸の刺激性を和らげる重要な役割を果たしています。
[5]毛髪補修の観点から配合されている加水分解ダイズタンパクは、植物性コラーゲンとも呼ばれる保湿成分です。脱脂した大豆を酵素で加水分解したポリペプチドで、分子が小さくなっているため髪に浸透しやすく、「保水力が強いので、保湿剤として基礎化粧品に配合されている」ことが知られています。毛髪に対しては「穏やかに洗い上げたり、髪をしっとり落ち着かせる効果」が期待できますが、軽めの補修力であるため、髪が細くペタンとなりやすい方には適していますが、重度のダメージには物足りない可能性があります。
[6][7]清涼感の源となるメントールは、単なる涼感効果に留まらない多面的な機能を持っています。最新の研究では、メントールがTRPV1(痛みセンサー)の活性化を抑制することで鎮痛効果を発揮することが明らかになっており、頭皮の炎症を抑える働きも期待できます。また、「局所血管拡張作用があり、頭皮の血行促進をサポートする」効果も報告されています。一般的な清涼感は10~30分程度持続し、「エタノールとの組み合わせで有効成分の経皮吸収率・持続力を約2倍向上させる」という研究結果もあります。ただし、刺激に弱い方には不快感を与える可能性もあるため注意が必要です。
[8][9]甘草由来の抗炎症成分であるグリチルリチン酸ジカリウムは、頭皮トラブルの改善に重要な役割を果たします。この成分の最大の特長は優れた抗炎症作用で、「頭皮の赤みやかゆみなどの炎症を抑えたり、頭皮に繁殖しがちな雑菌を殺菌してくれる」働きがあります。花王の研究では、「グリチルリチン酸ジカリウムとリンゴ酸とを合わせてシャンプーに配合すると、より効果が高まる」ことも確認されています。頭皮環境の改善により、「健康な毛髪の成長を促進」し、「薄毛の進行を遅らせる効果が期待できる」とされています。
[10][11][12]このシャンプーの最大のメリットは、間違いなくその圧倒的な洗浄力と爽快感です。オレフィンスルホン酸による強力な脱脂力は、頭皮の皮脂や整髪料を徹底的に除去し、口コミでも「ハードなワックスも簡単に落ちる」「頭皮がスッキリする」という評価が多数見られます。メントールによる清涼感も相まって、特に皮脂分泌量の多い男性や夏場の使用には最適といえるでしょう。
[13][14]配合されている49個の成分は、一見すると豊富な植物エキスによるスカルプケア効果を期待させます。実際に、グリチルリチン酸2Kによる抗炎症作用、ヒアルロン酸Naによる保湿効果、そして複数の植物オイルによるコンディショニング効果など、理論上は頭皮環境の改善に寄与する成分が多数配合されています。コストパフォーマンスも460mlで1650円という価格を考慮すると決して悪くありません。
しかし、デメリットも看過できません。最も問題となるのは、メイン洗浄剤のオレフィンスルホン酸による頭皮への負担です。この成分は「食器洗剤タイプ」とも評され、皮膚に対する刺激性が高く、乾燥肌や敏感肌の方には適さない可能性があります。実際の口コミでも「冬は頭皮が乾燥する」「メンソールの刺激がキツイ」という声が見られます。
[13][4]さらに深刻なのは、髪補修力の低さです。総合ランクで2004位という順位は、主にこの点が影響しており、「美容液のようなエキス配合だが、洗浄剤がダメ」という厳しい評価を受けています。加水分解ダイズタンパクや水溶性コラーゲンなどの補修成分は配合されているものの、強力な洗浄剤による脱脂力の前では効果が限定的になってしまいます。
[15]コスパについても、一見安価に思えますが成分品質を考慮すると「割と安っぽいオレフィンスルホン酸Na」がベースとなっており、2.83点という評価は妥当といえるでしょう。育毛効果についても1.4点と低く、豊富な植物エキスの配合にも関わらず、実際の効果は限定的と考えられます。
[4]MARO 3DボリュームアップシャンプーEXは、まさに「清涼感と洗浄力を最優先にしたメンズシャンプー」という表現がぴったりの製品です。オレフィンスルホン酸による食器洗剤レベルの洗浄力は、確実に頭皮をリセットしてくれますし、メントールの爽快感は夏場や運動後の使用では格別の気持ちよさを提供してくれるでしょう。
49個という成分数の多さは確かに魅力的ですが、これは「量より質」の観点で考える必要があります。いくら優秀な植物エキスを配合しても、ベースとなる洗浄剤が強力すぎれば、その効果は相殺されてしまいがちです。実際、髪補修力1.9点、育毛効果1.4点という数字は、この現実を如実に物語っています。
とはいえ、このシャンプーにも確実に適した使用者はいます。皮脂分泌量が多く、しっかりとした洗浄感を求める方、整髪料を日常的に使用する方、そして何より「さっぱり感」を重視する方には、期待を裏切らない製品といえるでしょう。1650円という価格設定も、毎日気兼ねなく使える範囲です。
ただし、髪や頭皮をいたわりながらケアしたい方、乾燥肌や敏感肌の方、そして本格的なエイジングケアを求める方には、正直なところあまりおすすめできません。メントールの刺激も人によってはきつく感じるかもしれません。
使用シーン別推奨度は以下の通りです:
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。