キトサンを始めナチュラルに髪のキューティクルを修正する能力が高く、特に潤滑性の向上は期待するに値するでしょう。逆に、頭皮にメリットのある植物エキスも多く含まれますが、これらのメリットは活かしきれていない印象です。
多くのトリートメントと同様に、4級カチオン界面活性剤を複数、少なからず配合していることで頭皮へのタンパク変性作用や皮膚刺激が無視できないレベルです。髪にだけ塗るにはコンディショニング作用としてメリットをもたらしますが、頭皮には逆にデメリットを多く残します。
クリスマムマリチマムカルス培養液、リンゴ果実培養細胞エキス、アルガニアスピノサカルス培養エキス、フカスセラツスエキスなど、明らかに頭皮のスカルプケアを狙ったような処方となっていて、これらの成分を一つ一つは有益ですがやはり4級カチオン界面活性剤の副作用ということを考えると頭皮に直接塗るのは歓迎できない行為です。
一方で、キトサン、キトサンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、クオタニウム-33、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、リピジュア、ヒドロキシエチルウレアなどなど、髪の潤滑性を向上させる素材は期待値が高いです。
シリコン一辺倒のような少し人工的な滑りではなく、ヴァージン毛のような自然な感触に改善してくれる期待が持てます。そして迅速にそれらのケアを浸透させることができるでしょう。18-MEA補給効果を持つクオタニウム-33によるツヤ感も良さそうですね。
ケラチン、水溶性コラーゲンといったポリペプチド素材も、このような優れものの補修成分に後押しされることでメリットを最大限に活かすことができるでしょう。もちろん、セラミドの配合も地味に補修効果をもたらし、バックグラウンドで髪のケアに大きく寄与しています。
少し無駄に思える部分もありましたが、概ね髪に対するコンディショニング作用は有望であり 、特にこの値段から考えるととてもコストパフォーマンスが高いように思います。
もちろんそれぞれの有効濃度に達しているかという問題はありますが、成分の構成からすると仕上がりに期待できる部分は大きいです。特に潤滑性、ツヤといった見た目や感触に関わる部分が強いので、使ってすぐそのメリットを体感できるという点は好ましいですね。
美容液トリートメントという名称は大げさではないな、と思います。髪の強度を高めるという点では今一つですが、髪の外側の補修効果は十分に戦力となりそう。髪のパサつきが気になっているとか、軽度~中程度のダメージもうであれば十分に対応できそうです。
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