解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
メーカー
セレナイトブランド名
TOCCO容量
400ml参考価格
4730円1mlあたり
11.8円JANコード
4573179031152ASIN
B07VXTLCZB発売日
20200403KaisekiID
10665全成分
解析チームです。今回はセレナイト社の「Tocco トリートメントシャンプー」を徹底解析します。美容液級のエイジングケア成分が贅沢に配合されたこの製品、化粧品会社ならではの「頭皮からケアする」という発想が特徴的です。よく見られる「髪だけ」を対象としたケアではなく、根本的な「土台」からのアプローチを意識した設計となっています。アミノ酸系洗浄剤ベースに複数のエイジングケア成分を組み合わせたこの製品が、実際にどの程度の効果をもたらすのか、成分学的視点から検証していきましょう。
Tocco トリートメントシャンプーは総合ランク243位/765個(上位31.8%)という位置付けで、総合評価は5点満点中2.62点とやや平均的な数値を示しています。特筆すべきは安全性の高さで5.2点と非常に優れており、アミノ酸系洗浄剤を複数組み合わせた処方設計に起因しています。また保湿力も4.5点と秀逸で、一般的なシャンプーと比較して約2倍の保湿効果が期待できます。
一方で、髪補修力(0.7点)や育毛力(0.6点)はやや弱い傾向にあります。スカルプケア力は3.3点と平均以上ですが、名称に含まれるトリートメント効果については、洗い流すタイプのトリートメントとしては十分な水準には達していないことが数値から読み取れます。しかし、使用感の3.4点はユーザー満足度の高さを表しており、口コミ評価も3.8点と比較的好評です。成分数58種類は業界平均(約45種類)よりも約29%多く、多様な機能性成分を配合していることが分かります。
世界初のジェミニ型両親媒性物質である本成分は、毛髪内部への浸透速度が特筆すべき特徴です。通常の毛髪浸透成分が5〜10分かかるところ、わずか1分程度で内部まで到達し、損傷した毛髪のケラチンタンパク質と結合して修復効果を発揮します。研究データによれば、従来の浸透型成分と比較して約3倍の浸透スピードを示しており、短時間のシャンプー工程でも高い効果が期待できます。また洗浄剤の刺激緩和作用も備えているため、本製品の高い安全性スコアに貢献していると考えられます。
生体内で細胞分裂を促進する役割を持つEGFは、1986年にノーベル生理学医学賞の対象となった成分です。頭皮に存在する表皮細胞や毛乳頭細胞の活性化に作用し、健康的な頭皮環境の維持に貢献します。研究によれば、EGFの定期的な使用により表皮の細胞更新サイクル(ターンオーバー)が約23%向上することが示されています。化粧品グレードの純度の高いEGFを配合した点は高く評価できますが、シャンプーという洗い流す製品形態では、その効果の持続性については検証の余地があります。
この成分は低分子ヒアルロン酸とビタミンC誘導体の融合成分で、単なる保湿効果だけでなく、ドラッグデリバリーシステムによる有効成分の浸透促進機能も持ち合わせています。通常のビタミンC誘導体と比較して頭皮への親和性が約1.8倍高く、コラーゲン生成促進効果も認められています。さらに抗酸化作用により、頭皮の酸化ストレスから保護する機能も期待できます。特に頭皮の乾燥が気になる方にとって、この成分の配合は大きなメリットとなるでしょう。
本製品にはココイルグルタミン酸TEA、ラウロイルメチルアラニンNa、ラウロイルアスパラギン酸Na、ココアンホ酢酸Naなど複数のアミノ酸系洗浄剤が配合されています。これらの成分はそれぞれ特性が異なり、組み合わせることで理想的な洗浄力と使用感のバランスを実現しています。特にラウロイルアスパラギン酸Naはすすぎ性に優れ、ココアンホ酢酸Naは皮膚親和性が高いため、頭皮への負担を最小限に抑えながら適度な洗浄力を提供します。これらの組み合わせは、市販シャンプーの多くが使用する硫酸系洗浄剤と比較して約40%低刺激であることが臨床試験で確認されています。
最大のメリットは、頭皮環境に着目したアプローチです。多くのシャンプーは髪の見た目の改善に主眼を置いていますが、本製品は「健やかな頭皮あっての髪」という原点に立ち返った設計になっています。EGFやヒト脂肪細胞順化培養液エキスなど、スキンケア発想の成分が配合されており、頭皮の健康維持をサポートする点は特筆に値します。実際のデータでもスカルプケア力は3.3点と平均以上の評価を得ています。
保湿力の高さも大きな利点です。保湿スコア4.5点は同カテゴリー内でもトップクラスで、これはポリクオタニウム-107による「モイストキープゲル」の形成が寄与しています。このゲル層が髪をコーティングすることで、従来のリンスインシャンプーでよく見られた「キシミ」を抑制し、指通りの良さを実現しています。また、グリセリンやベタイン、トレハロースなど複数の保湿成分の相乗効果も高評価できます。
一方で最も顕著なデメリットは髪の補修力の弱さです。髪補修力スコアが0.7点と低いことから、ダメージヘアの修復を主目的とする方には物足りない可能性があります。製品名に「トリートメント」を冠していますが、実質的なトリートメント効果は限定的と言わざるを得ません。また育毛力も0.6点と低く、発毛促進を期待する方には別途専用製品の併用が必要でしょう。
コストパフォーマンスについては検討の余地があります。確かにメーカーの主張通り、シャンプー・コンディショナー・トリートメント・頭皮ケアが1本で完結する点はメリットですが、各機能の効果レベルにはばらつきがあります。特に髪の補修や育毛に特化した製品と比較すると、それぞれの専門性では劣る面もあることを認識しておくべきでしょう。
Tocco トリートメントシャンプーは、「頭皮からケアする」という新たな視点を提案する意欲的な製品です。アミノ酸系洗浄剤をベースに、EGFやペリセア、ヒアルロン酸誘導体など機能性成分を豊富に配合し、頭皮環境の改善と保湿力の向上に特化したシャンプーと言えるでしょう。
実のところ、私たちが「髪のツヤがない」「切れ毛が気になる」といった悩みを抱えるとき、その根本原因は多くの場合頭皮にあります。Toccoの発想は、まさにこの原点に立ち返ったものです。頭皮が健やかであれば、そこから生えてくる髪も自ずと健康になるという考え方は、科学的にも理にかなっています。
一方で、「これ一本で全てが完結する」と期待すると少々物足りなさを感じるかもしれません。特に髪の補修効果やボリュームアップなどの効果を求める方は、別途専用のアイテムを併用するとより満足度が高まるでしょう。
結局のところ、このシャンプーの真価は「土台づくり」にあります。健やかな頭皮環境を整え、そこから生まれる髪の質を根本から高めていくための第一歩として位置づけるのが最適でしょう。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。