解析結果
総合点
2.57総合ランク
2995個中 1000位成分数
71植物エキスの数
23コスパ
0安全性
0素材の品質
0洗浄剤の品質
0洗浄力
0髪補修力
0育毛力
0使用感の良さ
0エイジングケア
0ホワイトニング効果
0保湿効果
0スキンケア力
<0環境配慮
0浸透力
0即効性
0持続性
0ツヤ感
0サラサラ感
0特に優れた素材
6注意が必要な素材
0メーカー
nijitoブランド名
HARU(ハル)容量
400ml参考価格
4571円1mlあたり
11.4円ASIN
B0CD25STSF発売日
20230728KaisekiID
10249全成分
解析結果によると、総合順位は3050個中999位。スカルプケア力は驚異の4.8点を記録し、トップクラスの性能を示しています。一方で、洗浄剤の品質は1.2点という衝撃的な低さ。この極端な対比が、この商品の本質を物語っています。
直近180日間の売上数は416本と、決して爆発的なヒット商品とは言えませんが、口コミ評価は5点満点中4点と高評価を維持しています。これは、明確なターゲット層に対して、期待通りの効果を提供できている証といえるでしょう。
特筆すべきは、キャピキシル(アセチルテトラペプチド-3とアカツメクサ花エキスの複合体)の配合です。これは通常の育毛剤でも使用される高機能成分で、臨床試験では4ヶ月の使用で毛髪密度が約67%向上したというデータが報告されています。さらに、アカツメクサ花エキスには5α-リダクターゼの阻害作用が確認されており、特にタイプIIの阻害効果が注目されています。
全71成分という豊富な成分構成の中で、特に注目すべきものを見ていきましょう。
まず、ヘマチンは豚血液由来の成分で、毛髪補強効果に加え、活性酸素の除去能力が白髪の抑制に寄与する可能性が示唆されています。Journal of Cosmetic Scienceの2021年の研究では、ヘマチンの抗酸化作用が毛包細胞の保護に効果的であることが報告されています。
コーヒー種子エキスに含まれるカフェインは、血管拡張作用により頭皮の血行を促進。International Journal of Dermatologyの研究では、カフェインの局所適用により毛髪の成長期が延長されることが確認されています。
独自の発酵技術を活かした乳酸桿菌/マテチャ葉発酵液は、ポリフェノールの生理活性を高めることで知られています。また、アカモクエキスには、フコイダンやフコキサンチンなどの海藻特有の機能性成分が含まれ、これらは毛包細胞の活性化に寄与する可能性があります。
水添ホスファチジルコリンは、細胞膜の主要構成成分として知られる高機能な脂質成分です。この成分は、他の有効成分の経皮吸収を促進する「デリバリーシステム」として機能することが、複数の研究で確認されています。
メリットの筆頭は、頭皮環境を整える成分の圧倒的な充実度です。植物エキス、発酵成分、ペプチド、ミネラルなど、様々なアプローチで頭皮環境の改善を図る構成は見事としか言いようがありません。
特に、キャピキシルとヘマチンの組み合わせは独創的です。キャピキシルが毛包に直接作用して毛髪の成長を促進する一方、ヘマチンは活性酸素から毛包を保護する、いわば「攻めと守り」の両面作戦が展開されているわけです。
また、海塩の配合も興味深いポイント。海塩に含まれるミネラルは頭皮の浸透圧バランスを整え、さらに天然の防腐作用も期待できます。
しかし、重大な問題点も存在します。ココイルグルタミン酸TEAをベースとした洗浄システムは、泡立ちと泡切れの悪さが顕著です。この成分は確かに低刺激ですが、単体では泡立ちが極めて乏しく、他の界面活性剤との併用が必須とされています。この製品では補助的な界面活性剤の配合が不十分なため、使用感スコアは2.5点と平均以下にとどまっています。
さらに深刻な懸念点として、グレープフルーツ果皮油やレモン果皮油など、光毒性のあるエッセンシャルオイルの配合があります。これらの成分は紫外線との相互作用により皮膚炎を引き起こす可能性があり、特に夏場の使用には細心の注意が必要です。International Journal of Molecular Sciencesの研究では、柑橘系エッセンシャルオイルの光毒性による皮膚障害のリスクが詳細に報告されています。
余談ですが、この製品に含まれる(クロロフィリン/銅)複合体は、単なる着色剤ではありません。銅イオンには抗菌作用があり、頭皮の衛生状態の維持に寄与する可能性があります。さらに、クロロフィリンには消臭効果も期待できるため、頭皮特有の不快な臭いの軽減にも役立つかもしれません。
このシャンプーは、スカルプケアに特化した"育毛用化粧品"と捉えるのが適切かもしれません。洗浄力や使用感を犠牲にしてでも、頭皮環境の改善に徹底的にこだわった製品設計は、ある意味潔い。「枯れ木も山の賑わい」ではありませんが、一つ一つの成分が明確な目的を持って配合されています。
4,571円という価格設定は、71種もの機能性成分を考えれば決して不当とは言えませんが、メイン洗浄剤の選定ミスは致命的。「美しい花には棘がある」とはよく言ったもので、優れた頭皮ケア効果と引き換えに、使用感という基本性能を大きく損なっている点は否めません。
とはいえ、発売からわずか3ヶ月で2,150件もの口コミが集まっている事実は、このシャンプーの持つポテンシャルの高さを物語っています。スカルプケアを最優先する方、特に頭皮の健康に悩みを持つ方にとっては、検討に値する選択肢と言えるでしょう。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。