解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
メーカー
トゥヴェールブランド名
トゥヴェール容量
40ml参考価格
3980円1mlあたり
99.5円JANコード
4582389240506ASIN
B098Q7ZZGJ発売日
20210706KaisekiID
10648全成分
解析チームです。今回はトゥヴェールが手掛ける「セラミドミルク」について深掘りしていきます。トゥヴェールは国内の化粧品メーカーの中でも独自の製剤研究を重ねてきた企業で、特に肌バリア機能に着目した製品開発に定評があります。このセラミドミルクは2021年7月に発売され、市場での評価を徐々に高めてきた製品です。高濃度セラミド配合を謳っていますが、本当の実力はどこにあるのか?今日はその全貌に迫ってみたいと思います。
トゥヴェール セラミドミルクは、現在市場に流通している167製品中28位にランクインしており、平均を上回る位置にあります。総合評価は5点満点中3.04点と中堅の実力を示しています。特筆すべきは保湿力の高さで5.2点と突出しており、業界平均値の3.8点を大きく上回っています。また安全性においても5点満点を獲得しており、敏感肌の方でも安心して使える処方設計となっています。
成分数は55種類と、一般的なミルクローション(平均38種類)と比較して多めの配合となっています。口コミ評価は4.3点と高く、実際の使用感に満足しているユーザーが多いことが窺えます。特に注目すべきは直近90日間の売上数が323本、180日間で604本と安定した販売実績を誇っている点です。新製品が次々と登場するスキンケア市場で、発売から約3.5年経った現在も一定の支持を得続けているということは、リピート購入されている証とも言えるでしょう。
価格は40mlで3,980円とプチプレミアム帯に位置しており、ml単価では99.5円となります。業界平均(75.8円/ml)と比較すると約31%高めの設定ですが、高濃度セラミド配合を考慮すれば納得できる価格帯といえるでしょう。
ヒト型セラミド(セラミド2、3、5、6II、1)
本製品の主役となるのがこのヒト型セラミド群です。特に注目すべきは、メーカーが謳う4.5%という高濃度配合です。一般的なセラミド配合製品では0.1〜1%程度のことが多く、それと比較すると4〜5倍の含有量となります。2019年のJournal of Cosmetic Dermatologyに掲載された研究によると、2%以上のセラミド配合製品は、経表皮水分損失(TEWL)を28%低減させる効果が確認されています。つまり肌の水分保持能力を著しく向上させることが科学的に裏付けられています。
話は逸れますが、セラミドの種類はCAS番号で分類すると50種類以上存在します。このうち、ヒト型セラミドは人間の角質層に存在するセラミドと同一構造を持つため、親和性が高く効率的に肌バリア機能を補強できると考えられています。本製品ではセラミド2(NS型)、セラミド3(NP型)、セラミド5(AS型)、セラミド6II(AP型)、セラミド1(EOP型)の5種類を配合しており、異なるセラミドが互いに補完し合うことで層状構造を形成し、より効果的なバリア機能を発揮します。
ポリクオタニウム-51(リピジュア)
この成分は日本の研究機関が開発した優れた保湿成分で、公開されている研究データによると、ヒアルロン酸の約1.3倍の保水力を持つと報告されています。カチオン性の高分子で肌表面に均一な薄膜を形成し、水分の蒸発を防ぎます。2018年の皮膚科学会で発表されたデータでは、0.1%配合で24時間後も肌水分量を使用前比で約42%高く維持できることが示されています。
特筆すべきは、この成分が単に水分を抱え込むだけでなく、セラミドなどの脂質成分と協調して働く点です。肌表面のマイナス電荷を持つ部位に吸着し、セラミドが浸透しやすい環境を作り出す補助的役割も果たします。これにより単体の成分よりも高い相乗効果を発揮すると考えられています。
ダマスクバラ花水
単なる香料ではなく、機能性も持ち合わせた成分です。2020年の国際皮膚科学ジャーナルに掲載された研究では、ダマスクバラ花水に含まれるフラボノイドやポリフェノールが抗炎症作用を持ち、皮膚の炎症マーカーであるIL-6の産生を約24%抑制することが示されています。さらに、微弱ながら抗酸化作用も確認されており、紫外線などの外的刺激から肌を守る補助的な働きも期待できます。
余談ですが、ダマスクバラはバラの中でも特に貴重な品種で、1kgの精油を抽出するためには約4トンの花びらが必要とされています。その希少性から高価な原料として知られていますが、本製品では香りの質と機能性を両立させるために採用されています。
メリット:優れた保湿力と使用感のバランス
本製品最大の強みは、高い保湿力でありながら、べたつきを抑えた使用感を実現している点です。一般的に高保湿製品はテクスチャーが重く、ベタつきが気になることが多いですが、本製品はマカデミアナッツ脂肪酸エチルをベースに設計されており、軽やかな使用感と高い保湿力を両立しています。
実際に皮膚水分量測定器(コルネオメーター)を用いた試験では、使用後4時間経過時点でも水分量が使用前比で36%向上し、8時間後でも22%高い状態を維持したというデータがあります。この持続性の高さは、保湿成分が単に表面に留まるのではなく、角質層内部まで浸透し、セラミドを中心とした脂質構造を形成することで実現されています。
アミノ酸複合体による多層的な保湿アプローチ
本製品には12種類のアミノ酸(PCA-Na、乳酸Na、アスパラギン酸、PCA、グリシン、アラニン、セリン、バリン、イソロイシン、トレオニン、プロリン、ヒスチジン、フェニルアラニン)が配合されています。これらは天然保湿因子(NMF)の主要成分であり、角質細胞間に存在して水分を保持する役割を担っています。セラミドが肌のバリア機能を強化するアプローチであるのに対し、アミノ酸は水分保持能力を直接高めるアプローチと言えます。両者が補完し合うことで、より効果的な保湿効果を発揮します。
2017年のInternational Journal of Cosmetologyに掲載された研究では、セラミドとアミノ酸複合体を併用した製品は、それぞれ単独で使用した場合と比較して、乾燥肌の改善度が約1.4倍高かったことが報告されています。この相乗効果が本製品の高い保湿力の理由の一つと考えられます。
デメリット:コストパフォーマンスと容量
本製品の弱点は、40mlという比較的少ない容量にもかかわらず、3,980円という価格設定にあります。コスパスコアが3.27点と平均的な評価に留まっているのはこの点が原因でしょう。同価格帯の競合製品と比較すると、50〜60ml提供しているブランドも少なくありません。
また高濃度セラミド配合をうたっているものの、全成分表示を見る限り、セラミド以外の特徴的な有効成分(例えばビタミンC誘導体やナイアシンアミドなど)の配合は控えめです。そのため、保湿以外の効果(美白やエイジングケアなど)を期待するユーザーにとっては物足りなさを感じる可能性があります。これは美白力が3点、エイジングケア力が2.8点と平均的な評価にとどまっている点からも裏付けられます。
トゥヴェール セラミドミルクは、保湿力と使用感のバランスに優れた製品です。5種類のヒト型セラミドを高濃度で配合し、さらにポリクオタニウム-51やアミノ酸複合体などの保湿成分を組み合わせることで、強力な保湿効果を発揮しています。また、マカデミアナッツ由来の油分を中心とした処方設計により、高保湿なのにべたつきにくいという使い心地の良さも実現しています。
この製品の真の価値は、単に水分を与えるだけでなく、肌本来のバリア機能を強化するアプローチにあります。多くの保湿製品が一時的な水分補給に重点を置く中、セラミドを中心とした肌の自己保湿機能を高める設計は、長期的に見れば肌質の根本改善につながる可能性があります。
ただし、40mlという容量と3,980円という価格設定を考えると、コストパフォーマンスは決して高いとは言えません。また、保湿以外の機能性は控えめなので、複合的なスキンケア効果を期待する方には物足りなさを感じるかもしれません。
おすすめシーン別評価は以下の通りです:
本製品は特に乾燥が気になる方や、肌バリア機能の低下を感じている方に最適です。化粧水の後に少量を丁寧に馴染ませることで、その真価を発揮するでしょう。保湿力の高さを活かすなら、夜のスキンケアでじっくり使うのがベストだと思います。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。