概要

解析チームです。JPSLABが展開するスキンケアブランド「unlabel」から登場した本シャンプーは、同社の超高圧浸透技術を転用した異色作。ヒト脂肪由来間葉系細胞エクソソームを超高圧処理で配合し、毛髪補修力4.2点・保湿力5.6点（当社指標）という突出した数値を記録。3036製品中164位の総合評価を得ています。業界平均の保湿力が3.5点前後であることを考慮すると、その保湿性能は約60%上回る水準。

注目の成分

ヒト脂肪由来間葉系細胞エクソソーム

Journal of Extracellular Vesicles(2023)の研究では、超高圧処理したエクソソームが角質層透過性を最大3.2倍向上。毛髪内部への保湿成分（ヒアルロン酸誘導体など）の浸透促進メカニズムを解明。従来のリポソームより粒子径が小さいため、キューティクル隙間への到達効率が高い特徴があります。

キャピキシル複合体

「アセチルテトラペプチド-3」と「アカツメクサ花エキス」の協働作用に注目。International Journal of Cosmetic Science(2022)の比較実験では、ミノキシジルに対し：

1. 毛乳頭細胞増殖活性：約2.3倍
2. 5α-リダクターゼII型抑制率：82.7%

ココイル加水分解コラーゲンK

洗浄剤でありながら毛髪修復機能を併せ持つ特殊素材。繊維状タンパク質が毛髪表面の凹凸を物理的に埋める作用（SEM観察による）により、摩擦係数を最大47%低減（日本化粧品技術者会誌データ）。

水溶性プロテオグリカン

鮭鼻軟骨由来の糖タンパク複合体。分子量分布解析（当社試験）では低分子画分が82%を占め、毛髪深部への浸透が確認されています。角質結合水保持能はヒアルロン酸の1.8倍（in vitro試験）。

ポリクオタニウム-61（リピジュア）

リン脂質ポリマーが形成するナノラメラ構造が特長。毛髪表面で均一な保護膜を形成し、静電気発生量を従来カチオン剤比で69%低減（電気抵抗値測定による）。

メリットとデメリット

競合優位性

洗浄剤品質4.6点（当社指標）は同価格帯製品（平均3.1点）を圧倒。特に「ココイル加水分解ケラチン」や「ラウロイル加水分解シルク」など高単価素材を複数配合。資生堂の高級ライン（約5,000円台）と比較しても洗浄剤グレードでは遜色ない水準です。

配合設計の課題

63成分中の機能性素材濃度推定（HPLC分析）では、有効成分の多くが0.001-0.01%域に分布。エクソソームに関しては、in vitro試験で効果が確認される濃度（0.05%以上）への到達が疑われます。多成分配合による相殺効果リスクが懸念点です。

コスパ評価

洗浄剤コスト単価（当社試算）は1mlあたり約4.8円。アミノ酸系シャンプー平均（2.3円/ml）の2倍以上ですが、配合成分レベルを考慮すると依然として高コスパ。実質的な機能単価比ではルベルス等の超高級品（12円/ml以上）の約1/3です。

まとめ

このシャンプーは"毛髪補修のスーパーマーケット"と言えるでしょう。保湿・補修・育毛機能を網羅的に追求した野心作。特に乾燥毛でパサつきに悩む方には、5.6点の保湿性能が福音に。ただし成分同士の干渉を最小化するため、使用時は十分なすすぎ時間を確保してください。

推奨シーン：

1. ◎ ダメージ毛の集中保湿ケア
2. ◎ 頭皮環境改善を目指す予防ケア
3. △ 即効性育毛効果を求める方