カテゴリ:洗い流さないトリートメント
総合ランク
総合点

1mlあたり
カテゴリ内順位
一部の成分に注意が必要です
規制フラグ成分(CMR/SVHC/IARC/CIR/EU)は検出されませんでした
個人差要因皮膚感作性1件・経皮吸収35件
メーカー
オルビス (ORBIS)ブランド
オルビス(ORBIS)容量
140ml参考価格
1320円1ml単価
9.4円JAN
4908064094743ASIN
B06WLJYWF7ID
11459シリーズ名
エッセンスインヘアミルク対象の髪タイプ
ダメージ毛向け詰め替え
あり発売年
2011年公式サイト
公式サイトを見る全成分
商品説明
解析チームです。@cosmeベストコスメアワード総合大賞、LIPSヘアミルク部門1位と受賞歴が輝かしいオルビスのロングセラー。ただし、スタッツを開いた瞬間に「これは一筋縄ではいかない処方だ」と直感しました。保湿力は文句なしの圧倒的スコアを叩き出す一方、安全性と補修力には目を覆いたくなる数字が並んでいます。受賞歴と成分実力のギャップを、データで正直に解説します。
総合点3.53点は761製品中82位と平均以上の水準ですが、内訳を見ると極端な凸凹処方であることが浮かび上がります。保湿力は満点の5.0点と、解析チームが計測した中でも圧倒的トップクラス。その一方で全体的な安全性は1.0点、スカルプケア力は0.7点と、いずれも「要注意」水準です。"美容液入りヘアミルク"という訴求は保湿力という1点においては正直な表現ですが、ダメージ補修特化をイメージして購入すると期待とのズレを感じる可能性があります。
バーの色:優秀 平均以上 要注意
平均3.0点基準。シャンプー解析ドットコム集計
注目すべきは生分解性の高さ(35成分平均0.77)です。配合成分の多くが自然界で分解されやすい素性を持ち、環境負荷の低さは明確な強みとして評価できます。一方、EDTA-2Na(生分解性0.40)やフェニルトリメチコン(生分解性0.30)など一部成分が全体平均を引き下げています。
この製品の最大の"推しポイント"となる複合成分です。シルクタンパク質の加水分解物(フィブロイン由来ペプチド)にシリコーン骨格を化学結合させることで、「毛髪への吸着力」と「コーティングの持続性」を同時に実現しています。加水分解シルク単体では水洗いで流れてしまう弱点があり、シリコーン単体では表面をべたっとコートするだけですが、この複合体はキューティクルへの親和性とシリコーンの撥水膜形成を両立します。推奨配合量1〜5%の範囲内での使用が確認でき、熱保護効果も研究報告があります。ただし、強アルカリ処理成分や高濃度陰イオン界面活性剤との配合は効果を減弱させるため、処方中の酸性寄りpH設計(クエン酸による調整)との組み合わせは意図的な設計と読めます。
アルギニン、グリシン、セリン、アスパラギン酸、トレオニン、バリン、アラニン、プロリン、フェニルアラニン、イソロイシン、ヒスチジンと、11種のアミノ酸が同時配合されています。これは人の毛髪を構成するケラチンタンパク質のアミノ酸プロファイルに近い組み合わせであり、「外からケラチンの材料を補給する」コンセプトの処方設計です。さらに、マルチトール × BG の相乗効果は製品の実証データとして確認されており、マルチトールが大気湿度に依存しない独立保湿機能を、BGが溶解基剤として浸透経路を整えます。PCA・PCA-Na・乳酸Na・ソルビトールも加わり、NMF(天然保湿因子)の主要構成成分をほぼ網羅。保湿力5.0点の裏付けとなる処方設計の巧みさはここにあります。
余談ですが、東京農工大学の研究グループによると、アミノ酸混合物は単一アミノ酸よりも毛髪への吸着量が増加し、ケラチン補修効果が有意に高まることが報告されています。本製品のような多種アミノ酸同時配合は、この相乗吸着効果を狙った処方と考えられます。
安全性スコア1.0点の主因の一つです。EWGスコア7は本製品の全成分中最も高く、「要注意」レベルに分類されます。セチルトリメチルアンモニウムクロリドとも呼ばれる4級カチオン界面活性剤で、毛髪表面に吸着してコンディショニング効果を発揮する一方、タンパク変性作用が強く頭皮への刺激リスクが報告されています。日本では旧指定成分(現在は規制対象外ですが、過去に配合量や使用上の注意が義務付けられていた成分)に指定された経緯があります。CIR評価は"Safe with Qualifications"(条件付き安全)に留まっており、"Safe as Used"と明記された他の多くの成分と比べてワンランク下の評価です。同じカチオン系のベヘントリモニウムメトサルフェート(EWG:4)と比較しても刺激リスクが高く、双方が同一処方に存在する点は頭皮への影響を考えると留意が必要です。
乳化剤として機能する成分ですが、SE(自己乳化型)は石鹸成分(ステアリン酸Na・K)を内包するためアルカリ性を帯びています。毛髪のキューティクルは酸性域(pH4〜5程度)で閉じる性質があり、アルカリに傾くと膨潤・剥離が起こりやすくなります。ダメージ補修を謳う製品として、キューティクルを傷めるリスクのある成分の採用は処方上の矛盾とも解釈できます。クエン酸によるpH調整が行われているとはいえ、SE特有のアルカリ性はゼロになるわけではありません。またコメドジェニック度3はニキビリスクのある成分の中でも中〜高レベルに相当し、頭皮の毛穴付近に付着した場合の影響が気になります。
3-メチル-1,3-ブタンジオール(商品名:イソプレングリコール)は、クラレが独自開発した日本発の多価アルコール系成分です。保湿・溶解・静菌の3機能を1成分で担い、パラベン代替の防腐補助としても機能します。EWGスコア2、CIR:Safe as Used、EU・日本ともに規制なしと安全性プロファイルは良好。さらにキューティクル補修作用の報告があり、ヘアケアとの相性が良い点が特徴です。フェノキシエタノール(GHS感作性1B分類)と組み合わせることで防腐効果を補い合う設計は合理的です。無香料処方との相性も良く、本製品のコンセプトに合った選定といえます。
安全性の補足:防腐剤のフェノキシエタノールはGHS感作性1B物質(皮膚感作性の可能性がある物質)に分類されます。洗い流さないトリートメントは頭皮への残留時間が長いため、感作性成分の影響は洗い流しタイプより考慮が必要です。EDTA-2Naについても生分解性0.40と低く、下水道経由での環境残留性が指摘されています。
ベヘントリモニウムメトサルフェート・セトリモニウムクロリド(カチオン系)とステアリン酸グリセリル(SE)(アルカリ性)の共存は、処方pHの安定管理が重要です。クエン酸によるpH補正が行われていますが、SE由来のアルカリ性をどこまで中和できているかは成分比次第。また、シルク複合体は強アルカリ・強アニオン界面活性剤との共存で活性が落ちる特性があります。
保湿力という一点においては、35成分にわたるNMFミラー設計が機能しており、乾燥・パサつきに悩む髪には即効性のある体感改善が期待できます。ただし"補修"や"安全性"という観点では成分データが正直に課題を映しており、受賞歴やブランド知名度と成分実力の間にギャップが存在します。口コミ評価の高さ(@cosme 5.1/7.0)は使用感・仕上がりへの満足度を反映しており、「保湿力・指通り」というスタッツと一致する傾向が見られます。一方、「補修力」や「頭皮ケア」への言及が少ない点は、スカルプケア力0.7点・髪補修力1.7点という数字と整合しています。
向いている
要検討
向きにくい
使用シーン別推奨度: