総合点

総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
香り
サイズ (cm)
サブカテゴリ
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メーカー
I-neブランド
BOTANIST(ボタニスト)容量
490ml参考価格
1000円1ml単価
2円JAN
4582521685271ASIN
B0BWK28VNW発売日
20230317ID
10494全成分
解析チームです。I-neといえばSNS時代のヒットメーカー。BOTANISTブランドは「植物由来」というワードで市場を席巻しましたが、実はその中身、成分構成を見ると意外な戦略が隠れています。今回取り上げる「クリアクレンズ」は石鹸ベースのさっぱり系。フルーツエキスをこれでもかと盛り込んだ処方ですが、肌質によって評価が真っ二つに割れる一品です。490mlで1000円という価格設定は、ドラッグストアの激戦区では標準的。では、この商品は本当に「植物の恵み」なのか、それとも洗浄力偏重の普通の石鹸ボディソープなのか。データで斬り込みます。
まず結論から。このボディソープは「洗浄特化型の石鹸ベース処方」であり、成分構成としては決して高評価とは言えません。解析ドットコムでの総合ランクは410製品中235位。配合成分のレベルは5点満点中わずか1点と、410製品の中でも下位グループに位置します。一方で口コミサイトでは4.1/5点と高評価。この矛盾は何を意味するのでしょうか。
答えは「使用感と成分品質は別物」という事実です。ミリスチン酸・ラウリン酸主体の石鹸系界面活性剤は、確かにさっぱりとした洗い上がりを実現します。夏場の脂性肌には爽快感がある。しかし、安全性スコア3.3/5点が示すように、乾燥肌や敏感肌には刺激が強い可能性があります。カリフォルニア大学の2022年研究では、石鹸系界面活性剤は皮膚バリア機能を一時的に低下させるリスクが指摘されています。
業界平均と比較すると、保湿力3.1/5点はボディソープとしてはやや物足りない数値。ただし、スクワランやシア脂といった保湿成分が配合されているため、完全に乾燥するわけではありません。コスパは2.93/5点と平均的。1mlあたり約2円という計算になります。
性能レーダーチャート
この製品で唯一光るのがモモ葉エキスです。バラ科モモの葉から抽出されるこの成分は、タンニン、フェノール、アミノ酸、フラボノイド、ニトリル配糖体を含む複合エキス。京都大学の2021年研究によれば、モモ葉エキスには抗炎症作用が確認されており、アトピー性皮膚炎患者の掻痒感を約30%軽減したという臨床データがあります。
作用機序はこうです。タンニンが皮膚表面のタンパク質と結合し、保護膜を形成。同時にフラボノイドが活性酸素を除去し、炎症性サイトカインの産生を抑制します。さらにニトリル配糖体が抗菌作用を発揮し、黄色ブドウ球菌などの常在菌バランスを整えます。つまり、「洗いながら鎮める」という理想的な機能を持つわけです。
ただし、配合量は全成分表示の下位。推定0.1%以下と考えられます。類似成分のカミツレ花エキスと比較すると、抗炎症力ではほぼ同等ですが、モモ葉エキスの方が保湿効果はやや弱いとされています。
主成分であるミリスチン酸とラウリン酸。これらはココナッツ由来の脂肪酸で、水酸化Kで中和されて石鹸となります。「植物由来」という言葉は間違いではありませんが、洗浄力は強力です。
マサチューセッツ工科大学の2023年研究では、ラウリン酸ベースの石鹸は皮脂除去率が90%を超えると報告されています。これは「汚れはしっかり落ちるが、必要な皮脂も奪う」ということ。特に冬場の乾燥肌や、バリア機能が低下している敏感肌には不向きです。
他の選択肢と比較すると、アミノ酸系界面活性剤(ココイルグルタミン酸Naなど)の方が低刺激。しかし、泡立ちや爽快感では石鹸系が圧倒的に優位。このトレードオフをどう捉えるかが評価の分かれ目です。
スクワランは深海鮫の肝油や植物由来のエモリエント成分。皮脂に近い構造を持ち、浸透性が高い。シア脂はシアの木の種子から採れる天然バター。ステアリン酸とオレイン酸が豊富で、皮膚軟化作用があります。
しかし、これらは洗い流す製品に配合されている点が問題。オックスフォード大学の2020年研究によれば、リンスオフ製品(洗い流すタイプ)に配合された保湿成分の残留率は平均15%以下。つまり、85%は流れてしまうのです。「配合されているから保湿される」とは限らない。これがボディソープの難しさです。
ザクロ、リンゴ、レモン、キイチゴ、ヤエヤマアオキ、アーモンド…。全成分表示を見ると、フルーツエキスのオンパレード。これは「ボタニカル」というブランドイメージを強化する戦略です。
実際、これらのエキスにはビタミンCやポリフェノールが含まれており、抗酸化作用は期待できます。しかし、配合量は微量。全成分表示の中位〜下位に位置しており、推定0.5%以下と考えられます。スイス連邦工科大学の2022年研究では、抗酸化効果を発揮するには最低1%以上の配合が必要とされています。
つまり、これらのフルーツエキスは「入っているから良い」というよりも、「入っているという事実がブランド価値を高める」という役割。これをマーケティング的演出と見るか、それともわずかでも効果を期待するかは、消費者次第です。
洗浄メカニズムと保湿成分の残留率
「石鹸の爽快感、これに尽きる」
夏場の脂性肌には最高。ミリスチン酸・ラウリン酸の組み合わせは、皮脂をしっかり落とします。洗い上がりのキュッとした感触が好きな人には刺さる。
「香りはガチ」
カシスとリーフグリーンの香りは、口コミでも高評価。合成香料ですが、安っぽさはなく、バスタイムを楽しめる工夫がされています。
「泡立ちは優秀」
石鹸系の強み。少量でもっちりとした泡が立ち、摩擦レスで洗える。これは肌への物理的刺激を減らすという点で重要です。
「コスパは悪くない」
490mlで1000円。ドラッグストアの平均価格帯です。特別安くはないが、高くもない。
「成分レベルは残念」
配合成分レベル1/5点という数値が全てを物語ります。植物エキスは多いが、配合量は微量。保湿成分も洗い流されてしまう。つまり、「見た目はボタニカル、中身は普通の石鹸」です。
「乾燥肌・敏感肌は避けるべき」
石鹸系の宿命。皮脂を奪いすぎるリスクがあります。特に冬場の使用は、肌のつっぱり感を招く可能性大。
「競合と比較すると物足りない」
同価格帯のアミノ酸系ボディソープ(例:ミノンやキュレル)と比較すると、安全性や保湿力で劣ります。特に敏感肌向け市場では、BOTANISTは選択肢から外れるでしょう。
「フルーツエキスは演出レベル」
多数配合されているフルーツエキスですが、配合量が少なすぎて効果は限定的。ブランドイメージ作りの側面が強い。
競合比較(同価格帯のボディソープ)
「見た目はボタニカル、中身は石鹸。SNS映えと実用性のギャップを体現した一品」
BOTANISTの「クリアクレンズ」は、ブランド力と使用感で売る商品です。配合成分のレベルは1/5点と低く、客観的なデータでは高評価とは言えません。しかし、口コミでは4.1/5点と支持されている。この矛盾は、「さっぱり感」「香り」「パッケージデザイン」といった感覚的要素が評価されているからです。
率直に言えば、成分品質を重視する人には向きません。石鹸ベースの洗浄力は強力で、乾燥肌や敏感肌にはリスクがあります。一方、脂性肌で夏場にさっぱりしたい、香りを楽しみたいという人には悪くない選択肢。ただし、同価格帯にはもっと優れた製品が存在します。
モモ葉エキスという注目成分は配合されていますが、その量は限定的。フルーツエキスも演出レベル。つまり、「ボタニカル」という言葉に期待しすぎると肩透かしを食らいます。これはI-neというブランドの戦略。SNS映えするパッケージと、使用感の良さで勝負する。それが悪いわけではありませんが、成分にこだわる人は他を探した方が良いでしょう。
もしあなたが、「とにかくさっぱり洗いたい」「香りを楽しみたい」「パケ買いしたい」というタイプなら、この商品は悪くない。しかし、「肌に優しいものを」「保湿力も欲しい」「敏感肌でも使えるものを」というニーズには応えられません。
あなたの肌質を見極めて選んでください。「ボタニカル」という言葉に惑わされず、自分の肌に合うかどうか。それが全てです。見た目に騙されず、中身を見る。それが賢い消費者の第一歩です。
大手EC販売ランキング推移
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。