顔も頭もひげも体も手も、まったく状態を同じモノならこれで良いだろう。
しかし、実際には全然環境が違う。
状態が違う。
だからシャンプーと洗顔料は全然違うし、シェービング剤も違う。
それを1つにまとめる意味。
できるものならやってみろという気持ちで拝見させていただきます。
一本5役が自慢のシャンプーだそうです。
よくある、リンスインシャンプー的なものは有名ですが、5役とは大きく出たなと思いますね。
5つの役割とは、髪・体・顔・手・ひげ(シェービング)だそう。
個人的にも髪と体両用というのは物によってはやりますので、これはあるのかなと思いますが、意外と顔とシェービング、手あたりは難しいところです。
モンゴ流は株式会社アルファウェイ製ブランド。
高機能シャンプーを作る!という意志を端々から感じられるブランドであり、商品のアップデートも頻繁に行うことで知られます。
5役できるシャンプー、ということで一番不安になるのが、中途半端になりはしないかということ。
バランスをとりすぎるとどこを洗っても満足できず、偏りすぎればどこかに全く相性が合わなくなるという難しいチャレンジなんです。これは。
内容を見ていくと、第一印象はああ、洗浄力・・。
洗浄力がこれはお世辞にも高いとは言えません。
泡こそ立ちそうですが、ラウリン酸ポリグリセリル-10、ラウリン酸PEG-80ソルビタンというベビーソープ級のマイルドタッチ。
実際には、このあとにアニオン界面活性剤(一般的な洗浄剤)が多数配合されているので、どうにかバランスをとろうという処方には見えます。
オレフィン(C12-14)スルホン酸Naがあとに添加されていることからも、貧弱な洗浄力にならないように意図されているのもわかります。
しかし、これこそが5役を無理にこなそうとしている弊害とも言えるのではないでしょうか。
例えば、シェービング用に、と考えたときには逆に過度な洗浄力だ、とも言えますし、シャンプーや顔にはどうにも中途半端な洗浄性に感じます。
安全性に関してはベースの非イオン界面活性剤やジラウロイルグルタミン酸リシンNaによる刺激緩和作用などで素晴らしいものがありますが。。
中途半端さを挙げればキリがありません。
例えば、髪・頭を洗うにはヤシ脂肪酸アルギニンのような石鹸はどう見ても邪魔ですし、石鹸=アルカリ性ということを考えれば実はマイルドそうに見えて全体はアルカリ寄りで肌を乾燥させやすかったりするのでは?とも解釈できます。
顔を洗うときにはヒアロベールや疑似セラミド、貧弱な界面活性剤、シアバターやコンディショニング成分の影響による過度な保湿作用で吹き出物を誘発しそうという感じも否めません。
シェービングにはこれほど洗浄剤がそもそも必要ありませんし、ハンドソープにもここまで複雑な処方を組む必要性がそもそもありませんよね。
結局、どこを洗うにも不必要な要素が必ず絡んできてしまうため、少しずつ違和感を感じる結果に終わるのではと感じます。
それよりも、髪には髪、シェービングにはシェービング、顔には顔の適役がそれぞれあるんだよ、ということを知ってほしいです。
シャンプーと洗顔ではかなり違うには理由があり、一般的な良いシャンプーで顔を洗うと顔の方にトラブルがやや起きやすいものです。
個人的にも、体をシャンプーで洗うのはアリですが、顔だけは洗顔を使いますね。
それほど、シャンプーのコンディショニング成分が顔には本当に邪魔になるケースが多いです。
無理やりすべてのことをシャンプー一本でやろうとするのはやめましょう。
本当にその理想を叶えてくれる商品が出てくれば別ですが、このモンゴ流をもってしてもまったく程遠いのではと思います。
商品としては悪くない、とは言えますが、5役をこれでこなせる?と聞かれればノーです。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストア+などを運営。