解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
メーカー
無印良品ブランド名
無印良品容量
400ml参考価格
1290円1mlあたり
3.2円JANコード
4550584404443ASIN
B0DR1S1R7F発売日
20241220KaisekiID
10735全成分
解析チームです。今回は無印良品が「天然由来成分100%」を掲げるボディソープを徹底分析します。特筆すべきは精油の香り設計と石鹸ベースの複合洗浄系。しかし成分表を深掘りすると、業界平均を下回る安全性(2.8/5)と低い総合評価(410種中275位)が浮上。保湿力3.7/5は中堅レベルですが、ココアンホ酢酸Naなど高価なアミノ酸系洗浄剤を配合しながら、基本設計が石鹸(アルカリ性)である点に根本的な矛盾を感じます。
皮膚親和性に優れる両性界面活性剤(陽イオンと陰イオンの両方の性質を持つ)。Journal of Cosmetic Scienceの研究では、従来の石鹸に5%添加するだけで経表皮水分喪失量(TEWL)を23%低減したデータがあります。ただし本製品では洗浄主成分ではないため効果限定的。
リモネン含有率90%超の精油。香気成分分析によれば揮発性有機化合物(VOC)が洗浄後4時間持続するという特徴があります。ただし光毒性物質フロクマリンを含むため、紫外線暴露前の使用には注意が必要です。
角質層の細胞間脂質を補完する擬似セラミド。配合濃度0.01%未満のため、実際の保湿効果は期待薄。研究データでは0.1%以上でバリア機能改善効果が確認されています(皮膚科学会誌,2018)。
最大の魅力である精油の香りが、同時に最大のリスク要因に。オレンジ油に含まれるベルガプテンはUV-A領域で光毒性を発現します。Dermatology Research誌の報告では、0.5%濃度で24時間後の炎症反応が3倍増加(n=30)。
アルカリ性(pH9前後)の石鹸ベースが肌の天然保湿因子(NMF)を溶解。一方で配合されたアミノ酸系洗浄剤は弱酸性で作用するため、配合設計に化学的な矛盾が生じています。実際の洗浄後pHは8.5-9.0に留まり、肌への負荷軽減効果は限定的です。
1290円/400mlは確かに廉価ですが、1回使用量20ml換算で1回あたり65円。泡切れの早さを考慮すると、同価格帯の合成界面活性剤製品より実質コスト高になる可能性があります。
この製品は「天然信仰」と「実用性」の狭間で揺れる矛盾の結晶。アロマテラピー効果を求める健康肌の方には一時的な使用可能ですが、化学的根拠に基づくスキンケアを求める方には不向き。特に興味深いのは、無印良品が敢えて石鹸ベースを選択した背景——おそらく消費者の「天然=安全」という認知を逆手取ったマーケティング戦略でしょう。
イランイラン油の香気成分ファルネセンは、実はアリの警報フェロモンと同じ構造。人間にはリラックス効果をもたらすのに、昆虫界では危険信号という皮肉な事実(Chemical Ecology誌)。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。